フランス菓子界の重鎮、ピエール・エルメ氏が創るマカロン。 一言で言えば、最高の洋菓子です。
ラデュレやダロワイヨなど、有名店のマカロンも何度か試してきましたが、 ピエール・エルメのマカロンは、何度もリピートするほど圧倒的な美味しさでした。
今回はその魅力を、他ブランドとの比較も交えながら紹介します。
マカロンは本来、フランスに昔からある、メレンゲ・砂糖・アーモンドを原料とした焼き菓子のこと。
この焼き菓子の間にガナッシュ(チョコレートクリーム)を挟んだ「パリ風マカロン」は、1930年ごろにパリのラデュレ菓子店が発明したとされています。
今ではフランスを代表するスイーツとなり、菓子職人によって多彩なフレーバーと色彩が生み出されています。
色とりどりのマカロンが並ぶ様子は、視覚的にも美しく、食べる前から心が躍ります。
日本で「マカロン」といえば、このパリ風マカロンを指すのが一般的。本記事でも、以下では単に「マカロン」と表記します。
フランス、日本、そしてアメリカでも著名なピエール・エルメ氏は、パティスリー界に革新性と近代的センスをもたらしたスター・パティシエ。ヴォーグ誌から“パティスリー界のピカソ”と賞賛されるほどの存在です。
1990年代には、パリ風マカロンを発明したラデュレの副社長も歴任していたそうです。
そして1998年、自身のブランド「ピエール・エルメ・パリ」を立ち上げた際には、なんと東京に1号店を構えたそうです。日本人としては、ちょっと嬉しい親近感がありますね。
現在では、日本とフランスを中心に、12か国に約40のブティックを展開しているとのこと。
詳しいプロフィールは、最近では、近所のケーキ屋さんでもマカロンが売られていることがあります。
わが家は田舎住まいなのですが、地域の人気店は、独自にパティスリーを育ててきたオウナーパティシエが多く、有名店で修業した経歴を見かけることはほとんどありません。
そうしたお店のマカロンと、老舗ブランドのマカロンとでは、もはやジャンルが違うお菓子と言わざるを得ません。
コストコなどの輸入スーパーで買った冷凍マカロンのほうが、地元のケーキ屋さんのものより美味しい。これは、ほぼ例外なくそう感じます。
有名パティスリーはオンラインショップを持っていることが多いですが、マカロンだけは店頭販売に限られているケースも少なくありません。
わが家でも数年前、ラデュレのマカロンを購入するために、はるばる銀座まで出かけたことがあります。もっとも、ラデュレは現在ではオンラインでもマカロンを販売しており、利便性が大きく向上しました。
パリ発祥の老舗ダロワイヨも、オンライン通販でとても美味しいマカロンを提供しています。
しかし、これらの有名老舗と比べても、ピエール・エルメのマカロンはさらに一段上の味わい。この“別格”とも言える美味しさの理由については、後ほど詳しくご紹介します。
そして、本記事は、マカロンを楽しみながら書いています。
本節では、今回の「バレンタイン2021」キャンペーンのことも含め、食べたその場での感想を踏まえながら、ピエール・エルメのマカロンの素晴らしい味覚を紹介します。
今回は、バレンタインに合わせて注文しました。ピエール・エルメ・パリでは「バレンタイン2021」と銘打ち、季節限定商品を販売していました。
そして、1月20日頃に注文した時点で、個数が多くてお得なパッケージはすでに売り切れ。
わが家は頻度こそ高くないものの、一応リピーターです。これまでイベント時期に重なって購入したことがなかったため、今回初めて売り切れ商品を見かけて驚きました。
今回はバレンタインだったので、届いたマカロンはデザイナーとのコラボの綺麗な箱に入っており、開ける前から物凄くうきうきしました。
そして、箱を開けた瞬間──色とりどりのマカロンが8つ、整然と並んでいる様子に、いつものことながら思わず見惚れてしまいました。
ピエール・エルメのマカロンは、特別なパッケージで届くときも嬉しいですが、マカロンそのものの美しさと完成度は、いつも変わらず最高です。
味の感想は後ほど詳しく紹介しますが、まずこの“並びの美しさ”だけでも、特別な贈り物として十分な価値があると感じます。
※なお、今回のバレンタイン限定マカロン「クロエ」は、赤と茶色の組み合わせで、フランボワーズ風味のガナッシュショコラ。他のレギュラーフレーバーに劣らず、素晴らしい味覚でした。
おいしいマカロンは、口の中でガナッシュがゆっくりと溶け、濃厚で深みのある甘みが時間をかけて広がっていく──その余韻が、とても幸せな味わいです。
ピエール・エルメのマカロンの凄いところは、そうした心地よい味わいの中に、アクセントのある“驚き”の味覚が隠されていること。
最高においしいスイーツが、この驚きによって“至福のスイーツ体験”に昇華される──それが、他の有名店と比べても特段に素晴らしいと感じる理由です。
わが家では、この数年間で5回ほど購入していますが、毎回、同じように「これは別格だ」と感じています。
マカロンは、フランスを代表するお菓子です。
老舗や有名店のマカロンは、どれも美味しく、贈り物としても特別な存在感があります。
その中でも、ピエール・エルメのマカロンは、さらに一段上の味わい。
濃厚で深みのある甘みの中に、驚きの味覚が忍ばせてあり、“最高”のその先へ──至福のスイーツ体験へと昇華されているのです。