経済的自立を目指すための名著「となりの億万長者」をレビュー

億万長者とはどういう人たちだと思いますか?

  • 高級住宅街の邸宅に住み、高級車を複数所有している人でしょうか?
  • 高価な洋服を着こなし、高級ブランド品を多く持ち歩いているのでしょうか?

データからはどうやら、億万長者の多くはそのような暮らしをしていない、という意外な傾向が明らかになっています。
本記事では、全米の億万長者に対して初めて大規模な調査を行い、億万長者たちの生活の実態を明らかにし、経済的独立を目指すためのマインドセットを議論した「となりの億万長者」を紹介します。


「となりの億万長者」は、豊かになるということがどういうことなのかについて、いかに私たちが誤解しているのかを教えてくれ、正しく理解するのに役に立つ名著です。
FIREが注目を集める現在こそ、読まれるべき本だと思います。

本記事は、「となりの億万長者」がどんな内容なのかを知りたい方や、経済的自立を目指すための参考書籍を探している方に参考になると思います。

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「となりの億万長者」の内容概略

はじめに、「となりの億万長者」がどのような方向性の書籍なのか、簡単に紹介します。

金持ちは高級住宅街に住んでいないという事実

「となりの億万長者」の序章に、次のような衝撃的な一節があります。

豪華な屋敷に住み、高級車に乗っている人たちは、実際にはあまり資産を持っていないのだ。そしてもっと奇妙なことに気が付いた。大きな資産を持つ人々は、そもそも高級住宅街に住んでいないのだ。

「となりの億万長者」イントロダクション

衝撃的な文章ですが、著者たちがお金持ちについての研究を行う中で発見した事実だということです。

では、ほんとうのお金持ちはどんな生活をしているのだろう?
豊富なデータに基づき、その答えを教えてくれるのが、「となりの億万長者」です。

「億万長者」の定義とは?

ここで言う「億万長者」は、英単語「ミリオネア(millionaire)」の訳語です。つまり、「億万長者」の定義は、100万ドル(日本円でいって1億円ほど)の資産を所持している人です。

「となりの億万長者」の論じる内容

「となりの億万長者」は、億万長者たちがどういう人たちなのかという実態を明らかにし、億万長者を目指すためのマインドセットがどういうものかを議論する書物です。

本書では、何十、何百億円の資産を持ち贅沢三昧の生活をする大富豪ではなく、老後の不安が少なくすむ経済的自立を達成した人々という意味あいで論じられています。
豊富なデータをもとに、億万長者たちと億万長者になれなかった人たちの比較をしながらの具体的な議論が多いので、論点に非常に説得力がありわかりやすい内容です。

現在の日本でこそ読まれるべき理由

本書で提示される議論は、昨今話題に上ることが多いFIRE(Financial Independence, Retire Early、経済的独立・早期退職)に通じる考え方であります。
投資マインドがなかなか広まらないなかで、老後2000万円問題が噴出した記憶が新しい日本人の間でこそ、たいへん参考になる書籍
だと思います。

「となりの億万長者」の著者と書かれた背景

詳しい内容について紹介する前に、「となりの億万長者」の著者の紹介と、どのような背景で書かれた本なのかを説明します。

著者の紹介

「となりの億万長者」は、トマス・J・スタンリーとウィリアム・D・ダンコの共著です。2人はともに、ニューヨーク州立大学マーケティング学部の教授だった人たちです。
2人は、1973年に全米の億万長者を対象とした初の大規模調査を実施しました。お金持ちの生活実態についての研究の草分けであり、第一人者です。

書かれた時代、普遍的な内容

「となりの億万長者」がアメリカで出版されたのは、1996年でした。
2010年に(日本語文庫版で)6ページの短い「新版への序文」を加えた「新版」が発行されました。本文中も新しいデータが加わり、更新されています。
「新版の序文」中には、「となりの億万長者」たちは相変わらず健在であり、著者たちが本書で書いた研究結果はリーマンショック後の不況下でも覆っていないことが書かれています。

原版がいまから25年ほど前の出版であったとはいえ、本書で展開される議論はかなりの普遍性があると考えてよいと思います。

現在、日本では、「新版 隣の億万長者―成功を生む7つの法則」が広く販売されており、私が読んだのもこの版です。


なお、著者スタンレー博士は続編を執筆中に亡くなったということですが、原稿は娘さんが引き継ぎ、「その後のとなりの億万長者」が2015年に出版されています。
私もすでに、この続編を購入しており、次に読む予定です。おもしろかったらまた、本ブログでレビューしたいと思います。

豊富なデータに基づくお金持ちの研究

著者たちは「となりの億万長者」を書いた時点で、20年にわたってお金持ちについての研究をつづけきていたとのこと。

執筆に利用したデータのほとんどは、最近の調査の結果である。私たちは500人の資産家にインタビューし、1万1000人以上の資産家や高額所得者にアンケート調査した。

「となりの億万長者」より

1万人以上のお金持ちたちに関するデータをもとに書かれた研究結果に基づく本です。
豊富なデータに裏打ちされた結論は、わかりやすいと同時にとても説得力があります。

億万長者の意外な実態と、億万長者を目指すマインドセット

ここでは、「となりの億万長者」に書かれている意外な事実や重要な論点をいくつか紹介します。
本物の億万長者の人となりや、億万長者を目指すためのマインドセットについて、私の印象に残った内容をピックアップして紹介します。面白いと思う内容があったら、ぜひ本書を読んでみることをおすすめします。

間違っていた億万長者像―億万長者は豪奢な生活をしない

「億万長者」というと、高級住宅地に住み豪奢な暮らしをしているイメージがあります。映画やテレビで見る億万長者は、かならずそうした人々ですから。

しかし実態は、そうした生活をしている人々は収入も多いが支出も多いため、十分な資産をもっていない人が多いのです。
豪勢な生活を続けている人のなかには、病気や事故だけでなく、老後に仕事ができなくなったときに、現在の生活を維持できないかもしれない不安をもちながら暮らしている人もいるという意外な事実があります。

金持ちの子供が必ず億万長者になれるわけではない

もう一つ、金持ちの子供が遺産を相続して億万長者になるというイメージもあります。お金持ちの子供には、親に家を買ってもらったり、独立した後も経済的支援をもらい続ける人も多いです。

私たち庶民としてはうらやましい限りですが、実情はそんな単純ではないそうです。
大人になっても親に金銭的に頼る癖がついてしまった子供たちは、一生経済的に独立できなくなってしまうのです。

いつも親からもらうお小遣いをあてにする癖がつくと、自分の収入に見合わない生活をやめられなくなってしまいます。
そうなると、遺産を相続しても、あっという間に食いつぶしてしまうのがオチです。

億万長者であっても子供を甘やかさなかった親を持ち、堅実な生活態度を子供のころから教えられ、自分で経済的独立を達成した子供たちだけが、自分も億万長者になっているというシビアな現実があるということです。

となりの億万長者たちの生活

アメリカ全世帯の5%が億万長者

2005年の推定値で、アメリカ1億世帯のうち億万長者世帯は560万世帯です。
全体の5%ほどを占めています。

億万長者は倹約家

億万長者の多くは、倹約家で堅実な生活を送っているという事実が、著者たちの調査からはっきりわかります。
億万長者の多くは以下のような生活スタイルのため、見た目ではそれとはわかりません。

  • 庶民的な町に住む。
  • 中古車を購入し、長く大切に乗る。
  • 高価な衣類など買わない。億万長者の50%は、これまでに買った最も高いスーツの値段を400ドル(約4万円)以下と答え、これまでに買った最も高い靴の値段も140ドル(約14000円)以下と答えている。

そして、ブルーカラーや学校教員のような普通の労働者が、倹約としっかり時間をかけて投資をすることで、億万長者を達成している場合も多いということです。
本書でもっとも強調されているのは、倹約が資産形成にとって決定的に重要であるという結論です。

億万長者はキャビアを食べない

私がとても面白く思ったエピソードは、著者たちが億万長者をはじめてインタビューしたころのことです。
著者たちは、取材協力してくれる億万長者たちを、高級ワインとキャビアやパテの軽食でもてなしました。集まった億万長者たちは、だれもこうした食べものに手を付けず、落ち着かなげにクラッカーばかり食べていたということです。

派手な生活よりも経済的自立による心の平安

収入が多いけれど資産を築けていない人たちと、堅実な生活を送っている億万長者を比較しながら見えてくることは、今この場の自己満足のために消費することよりも、老後や不意の失業などの不遇に備える経済的自立を達成することの重要さです。

そのために倹約が重要であるという結論とともに、時間をかけて家計の予算計画を立てることが大切であるとの教えは、わが家も取り入れなくてはいけない内容で、大変参考になりました。

億万長者を目指しやすい職業

本書では、最後の2章を割いて、億万長者を目指しやすい職業について議論しています。

億万長者を目指すことは、職業の選択だけでなく、多くの要素がそろう必要があるというのが著者たちの主張であるものの、富裕層を相手にしたビジネスや専門職につき独立することに強い可能性を見出しているようです。

著者の一人トマス・J・スタンリー自身も、富裕層向けのビジネスを営む企業や銀行のアドバイザーとしても活躍していたとのことです。

まとめ

「となりの億万長者」は、豊富なデータにもとづき、億万長者がどういう人たちなのかを明らかにし、億万長者を目指すためのマインドセットを説いた本です。

  • 億万長者の多くは、贅沢な暮らしなどしない倹約家で、質素な生活を送っている。
  • 億万長者を目指すには、倹約が非常に大事である。同時に、時間をかけて投資を行うことも大切。
  • 今現在の消費よりも、経済的自立を達成することのほうが、心の平安をもらたし、はるかに幸せなことである。

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