バリュー投資の名著4選を比較しながら紹介‼

この記事では、バリュー投資の指南書として有名な4冊を紹介します。
本格投資本、バリュー投資の名著に挑戦しようと思っているけれど、どの本からはじめたらよいか迷っている方に参考になると思います。

紹介するのは、以下の4冊です:

  • ベンジャミン・グレアム「賢明なる投資家」
  • ピーター・リンチ「株で勝つ」
  • ハーマン・マークス「投資で一番大切な20の教え」
  • ローレン・C・テンプルトン「テンプルトン卿の流儀」

バリュー投資といっても、著者によって成長株を強く意識していたり、投資対象を国際的に広く求めたりで、投資スタイルはそれぞれです。
そしてなにより、読みやすさ、取っつきやすさは、購入する前に確かめられるとよいですよね。

著者や内容の紹介だけでなく、読みやすさ、文章の平易さにも注目しながら、以上の4冊を比較紹介します。

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はじめに

4冊とも、名著との評判の高いバリュー投資の指南書です。

バリュー投資とは

投資の基本は、安いときに買い、値段が上がったところで売る、です。
バリュー投資は、物(金融商品、株)の本来の価値と比べて、価格が安いときに買いつける投資法です。

私が勉強した感想では、非常に説得力のある方法論です。
実践は簡単ではないですが。。。

投資家ごとの投資スタイル

一言でバリュー投資と言っても、以下の2つのどちらに重きを置くかは、投資家ごとに違います。

  • これから成長が見込める株を安いうちに買う
  • 何かのきっかけで本来の価値より安く評価されているときに買い付ける

また、米国株式に絞る投資家もいれば、国際的に投資をする投資家、債券も株も対象にする投資家もいます。

ここで紹介する4冊も、著者のスタンスによって、議論される投資スタイルに違いがあります。
そうした投資スタンスの違いも、紹介します。

本記事内での「評価」

ここで紹介する4冊は、どれも内容は非常に濃く、苦労してでも読む価値が十分にある本だと思います。

ここでは、読みやすさ、わかりやすさを重視しながらの5段階評価を、⭐の数で表します
もちろん、私の独断と偏見に基づく評価である上に、わざと評価に差を付けました。

本ブログでは、1冊1冊を詳しくレビューした記事もありますので、本の紹介の最後にリンクを載せます。

ではさっそく、それぞれの本の紹介に入ります。

ベンジャミン・グレアム「賢明なる投資家」

評価:⭐⭐⭐


著者の紹介

ベンジャミン・グレアム(1894-1976)は、バリュー投資を体系立って論じた初めての投資家と言われる人です。
1934年に出版した「証券分析」も名著として有名ですが、1949年に著した「賢明なる投資家」の方が平易で広く読まれています。

「投資の神様」と言われるウォーレン・バフェットの師匠であった人でもあります。
バフェットがコロンビア大学の学生だったころからの師であり、社会人になってからもグレアムが経営する投資会社で働いて強く影響を受けたとのことです。

内容

「賢明なる投資家」は、バリュー投資のバイブル的な書物です。
投資と投機の違いから始まり、なぜバリュー投資がよいのか、そしてバリュー投資の考え方、バリュー投資の中心的概念である安全域について、論理明晰で非常に説得力のある議論が読めます。

投資の対象としては、株と債券の両方を議論します。

巻末には、ウォーレン・バフェットによる「グレアム・トッド村のスーパー投資家たち」という30ページほどの文章が掲載されています。
グレアム門下生たちの素晴らしい投資成績が紹介されるのですが、補遺ながら大変読みごたえがあります。

読みやすさ

現在販売されているのは、1973年に改訂された第4版です。
すでに50年近く経ってしまっている歳月の経過のため、難解になってしまっている印象は強いです。
本書は、具体的な株の比較が多く出て来ますが、出版以来の年月の間に倒産したりして現在では聞かなくなってしまっている会社の例がほとんどです。
本来、理解を助けわかりやすくするためだったこうした例のためにかえって、文章が読みにくく論点がわかりにくくなっている印象が強いです。

ただし、バリュー投資の神髄を書いた第8章と安全域を論じた第20章は、論理明晰で大変説得力があります
これら2章のためだけでも、購入した価値は十二分にあったと思いました。

レビュー記事、関連記事へのリンク

ピーター・リンチ「株で勝つ」

評価:⭐⭐⭐⭐⭐


著者紹介

ピーター・リンチ(1944-)は、伝説的なファンドマネージャーです。
1977年から1990年までフィデリティ・インヴェストメンツでマゼラン・ファンドのマネージャーを務め、平均年率29.2%という驚異的なリターンを記録しました。
ファンドマネージャーを退いた時には、140億ドル(1兆4000億円!)を運用していました。

株価が10倍に成長する株という意味の「テン・バガー」という言葉を作ったことでも知られています。

内容

個別株への投資に特化した本です。
株投資の手法は日本の市場でも共通に応用できると思いますが、議論の例に上る株は、(スバルに言及がありますが、それ以外は)米国株です。
株だけに投資する理由も、はじめのほうで提示されます。

株を低成長株、優良株、急成長株、市況関連株、業績回復株、資産株の6種類に分類し、それぞれの投資の仕方、ポイントを整理しながら解説します。
そして、「テン・バガー」の名付け親だけあって、急成長株投資について多くの熱っぽい記述が大変読みごたえがあり、またワクワクしながらどんどん読めます。

「アマの知識でプロを出し抜け」の副題が示すように、アマチュア投資家の優位性についても多くの記述が割かれています。

読みやすさ

本格的な投資本としては、平易な文章でとてもわかりやすく書かれています

著者の個性とユーモア溢れる文章が、飽きさせずリラックスさせてくれるため、たいへん読みやすくしています
著者自身の体験談を交えての説明がそう思わせるのですが、それがかえって自慢話みたいに聞こえて嫌いな読者もいる様子はあります。

現在販売されているのは、2000年に改訂したミレニアム版です。
1989年出版の初版に、改訂までのフォローアップを記述した20ページ超の序章を付け加えた感じです。
ミレニアム版ですら、Facebook、TwitterやTeslaなどはまだ登場していない時期に書かれたわけですが、議論に上る企業名はいまでも現役の企業が多く、時代の隔たりはそれほど感じずに読むことができます。

アマチュアが、プロよりも優位にあるという言説は、私たちアマチュア投資家に希望を与えてくれます。
伝説のファンドマネージャー自身による指南書でもあり、私としては一番のおすすめです!

レビュー記事へのリンク

ハワード・マークス「投資で一番大切な20の教え」

評価:⭐⭐⭐⭐


著者紹介

ハワード・マークス(1946-)は、「リーマンショックで最も稼いだ運用会社」と呼ばれるオークツリー・キャピタル・マネジメントの創業者兼会長。

2011年に出版された本書は、投資の神様ウォーレン・バフェットが大絶賛し、大量購入して自身が経営するバークシャーハサウェイの株主総会で配布したという逸話が残っているそうです。

内容

著者は「はじめに」で、「投資のマニュアル本を書いたつもりはない。むしろ本書は、私の投資哲学の声明文である。」と述べています。
この言葉通り、バリュー投資のエッセンスとなる考え方を、ギッシリとまとめた一冊になっています。

扱われる内容は、二次的思考をめぐらすこと、バリュー投資、逆張りをすること、リスク管理、将来を予想するのは不可能であること、むしろ市場サイクルの「振り子」が今どこにいるのかに注視すること、ディフェンシブに投資することなど。

逆張りで大きな利益をあげるための心構えを説いた一冊です。

読みやすさ

具体的な例(どこかの会社の株の過去の動きを解説するなど)がほとんど出てこず、観念的な記述に感じられるため、はじめてのバリュー投資の指南書には、難しいかと思います

私は、一般的な投資の入門書(インデックス投資がメインのものが多かった)を何冊か読んだ後で、はじめて読む本格的な投資本が本書でした。
必死に読むと言っているところは理解できるけれど、具体例の例証がほしいと思いながら読んだのを覚えています。

本記事でも紹介している他の3冊を読んだ後で、いま本記事を書きながら2章ほど読み返してみると、そんなに難解にも思いません。
これまで勉強してきたバリュー投資のエッセンスが無駄な記述なく著されていて、もう一回通して読み直そうと思いました。

内容的にも充実した本なので、2冊目以降におすすめします。

レビュー記事へのリンク

ローレン・C・テンプルトン「テンプルトン卿の流儀」

評価:⭐⭐⭐⭐⭐


著者紹介

国際投資の先駆者として有名なジョン・テンプルトン(1912ー2008)の生涯にわたる取引を、孫娘であるローレン・C・テンプルトンが解説しながら、国際バリュー投資を解説する本です。

ジョン・テンプルトンは、1930年代の終わりからリーマンショック前夜の2000年代半ばまで活躍した投資家です。
誰もが米国内の証券にしか興味を示さなかった1950年代に、高度経済成長が顕在化する前の日本にいち早く投資を始め、多くの投資家が日本に目を向けていた1980年ごろには既に日本からほとんどの資金を引き揚げていたという、徹底したバリュー投資家です。
その後も、1990年代の韓国、2000年代の中国でも投資を成功させた国際バリュー投資家であり続けました。
ジョン・テンプルトン自身による「テンプルトン卿の流儀」の前書きに記された次の言葉は、バリュー投資の神髄を表した文としてとても有名です。

強気相場は悲観のなかで生まれ、懐疑の中で育ち、楽観とともに成熟し、陶酔のなかで消えてゆく。
悲観の極みは最高の買い時であり、楽観の極みは最高の売り時である。

ジョン・M・テンプルトン 「テンプルトン卿の流儀」まえがき

著者のローレン・C・テンプルトン自身も、ローレン・テンプルトン・キャピタル・マネジメントLLCという投資顧問会社を主宰するプロの投資家です。
「テンプルトン卿の流儀」は、2008年出版。

内容

ジョン・テンプルトンが生涯の中で時代ごとに手掛けた投資を、その時代の状況を踏まえながら解説する投資本です。
扱われる内容は:1930年代終わりの第2次世界対戦下で1ドル以下の低位株を片っ端から買った意表を突く投資に始まり、誰も米国外に投資することなど考えつかなかった1950年代の日本への投資、1970年代の不況とその後好況に一転した米株式市場、2000年代初頭のITバブル崩壊時の空売りや債券投資、1990年代のアジア金融危機時の韓国への投資、1990年代からの隆盛する中国への投資。
それぞれの時代に、テンプルトンがどのような状況下でどのように考えて投資を行ったのかが、わかりやすく解説されます。

さまざまな国を投資対象にする考え方、投資対象も、株も債権も議論されます。
株の空売りや債券の基礎知識についての解説は、とてもわかりやすくまとまっています。

第1章をジョン・テンプルトンの生い立ちに割き、それ以降も時代ごとにテンプルトンが行った投資を解説する中で、バリュー投資の冷徹な神髄と、国際情勢を読みながら投資するということがどういうことなのかが浮き彫りになる構成です。

読みやすさ

ジョン・テンプルトンの生い立ちや人となりが、親類の筆だからこそ、素顔が垣間見える形で紹介されます。
テンプルトンの徹底的なバーゲンハンターぶりが良く伝わってきます。
厳しく強靭なバーゲンハンターだったはずのテンプルトンの投資手法が、柔らかで親しみやすいテキストで学べるのは、作者の人柄と親類という立場があってこそのことと思います。

伝記みたいな感じで読み始めるうちに、親しみがわいたころに、いつのまにか投資の解説に入っている感じで、大変読みやすい本です。

テンプルトンが実際に行った投資に取材しているため、説明の展開が常に具体的で、論点が明瞭です。
そして、解説も非常に丁寧で、とてもわかりやすい良書です。

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