1杯あたりの単価がどのくらいなのか、年間でコーヒー豆代にいくらくらいかかるのかを整理して考えます。
これがわかると、コーヒー豆をすこしグレードダウンしたらどのくらい家計の倹約になるか、はっきりします。
逆にもうちょっと贅沢をしても、意外に家計の負担は大したことがないかもしれません。
ドリップ、エスプレッソ、インスタント、カートリッジ式の淹れ方の違いについて、単価の比較もします。
実は、淹れ方を変えるだけですごい倹約になることもわかります。
お忙しい方は、まとめの比較表だけでも、参考になると思います。
記事の最後の「真に最強のコスパ:手軽に生豆を自家焙煎する」節では、全自動コーヒーロースターを紹介します。
最高においしいコーヒーを破格に安く楽しむ方法です。
ぜひ参考にしてください。
コーヒー1杯の単価を調べる動機
1杯当たりの出費が分かれば、年間に飲む杯数を掛けることで、年間でコーヒーに幾らかけているかがわかります。
コーヒー豆も高価なものから安価なものまでいろいろあります。わが家では、1日に1~2杯だけ高いコーヒー豆で淹れ、あとは安い豆で、とやっています。それで幾らくらい倹約になっているのか疑問に思ったのが、調べてみたきっかけでした。
本記事は、2020年10月に書いた「【コーヒー1杯の単価の比較表】ドリップ、エスプレッソ、インスタント、カプセル式のコストを比較。」のアップデート記事です。
2020年10月に調査して以来、コロナ感染症のパンデミック、ウクライナ情勢、米中対立などの影響により、世界的なインフレーションが発生しました。
日本でも、輸入品であるコーヒー豆はだいぶ値段が上がりました。そこで、再調査のうえ本記事をアップデートすることにしました。
調査の方針
調査方法は以下の通りです。
- それぞれの淹れ方で、1杯当たりにコーヒー豆を何g使用しているかを測る。
- コーヒー豆の100gあたりの値段を調べて、一杯当たりの単価を計算する。
1杯あたり、コーヒー豆を何g消費するか⁉
本節では、それぞれの淹れ方で、一杯のコーヒーのために何グラムの豆を使用するのかを計ります。
ドリップ
いつも作るのと同じようにドリップ用に豆を挽いて、軽量してみたところ、18gでした。
ただし、私の「いつもの1杯」はマグカップになみなみ1杯です。これは250mlほとで、次の写真の通り、世間の通常でいうちょうど2杯分に当たります。
世間通常でのドリップコーヒー1杯は、コーヒー豆9gということになります。
エスプレッソ
エスプレッソマシンのフィルターに、通常通りに詰め込んだエスプレッソ粉を、測定しました。エスプレッソをダブルで作るのに、コーヒー豆は10g使います。
ついでの豆知識ですが、エスプレッソマシンのダブル抽出ボタンを押して空運転して出てきたお湯の量も計ってみました。下の写真のとおりで、ダブル・エスプレッソは75mlくらいです。
インスタント
インスタントコーヒーを1杯いれるには、小さじ1杯のインスタント粉を投入します。その量の粉を秤に載せてみましたが、軽すぎて計れません。
包装には、ティースプーン山盛り1杯(約2g)が一杯分と書いてあります。
ここでは、1杯あたりインスタント粉は2g使用する前提で比較します。
カプセル(カートリッジ)式
1杯あたりカプセル(カートリッジ)1個を使用します。
残念ながらわが家にカプセル式コーヒーマシンはありませんので、1杯あたりの抽出液量は測定できませんでした。
使用グラム数の比較表
以上で調べた淹れ方ごとのコーヒー豆の消費量をまとめたのが以下の表です。
抽出の種類 | 容量 | 抽出液の体積 (ml) |
コーヒー豆 (g) |
ドリップ | 通常1杯 | 125 | 9 |
マグカップ1杯 | 250 | 18 | |
エスプレッソ | シングル1杯 | 38 | 5 |
ダブル1杯 | 75 | 10 | |
インスタント | 通常1杯 | 200 | 2 |
カプセル式 | 1杯 | ? | カプセル1個 |
コーヒー豆の100グラム当たりの値段
ここでの値段は、2023年6-7月に調べた値段です。
値段は税込み(コーヒー豆、粉は食品なので、8%の消費税率)で表示します。
有名ブランドの相場 250g=1,300円くらい
スターバックスでは、250gの豆を1,320~1,440円くらいで販売しています。
2020年9月の前回調査では1,050~1,250円くらいだったので、15~25%ほど値上げしました。
本場イタリアを代表するエスプレッソ粉として、IllyとLavazzaの2ブランドを調査しました。どちらも素晴らしいエスプレッソ粉で、その味わいは「エスプレッソ豆の頂上決戦!! Illy vs Lavazza。定番エスプレッソ豆2種を比較。」でご紹介しています。
楽天で私が探した中での最安値は、どちらも250gの内容量で、Illyは1,209円+送料、Lavazzaは1,070円+送料でした。
2020年9月とくらべると、それぞれ12%、19%の値上がりでした。
有名ブランドの相場は250gが1,300円くらい、100gあたり520円程度ということで議論を進めたいと思います。
高級専門店の豆の値段 250g=1,000円くらい
我が家でいつも楽しみに飲んでいるブルーボトルコーヒーのシングルオリジンのコーヒー豆は、個性的な香りや味わいが素晴らしく、いつも新しい感動を味わわせてくれます。
ブルーボトルコーヒーの素晴らしさは、「【コーヒー豆】サードウェイブコーヒーの旗手ブルーボトルコーヒーの通販豆をレビュー」でも紹介していますので、ぜひ合わせてお読みいただけるとうれしいです。
ブルーボトルコーヒーのシングルオリジン豆は、200gあたり2,200~2,700円ほどで販売されています。
やはり前回2020年調査以来、2割くらい値上げがありました。
高級コーヒーの目安として、100gあたり1,000円以上ということで議論を進めます。
普段使いのコーヒー粉 250g=150円くらい
スーパーのコーヒー
さきほど近所のスーパーで、いくつかのブランドのコーヒー豆や粉の値段を調べてみました。
ブランド | 商品名 | 内容量(g) | 税込値段(円) | 100gあたりの値段(円) |
UCC | 職人の珈琲 | 240 | 429 | 178.8 |
UCC | スペシャルゴールドブレンド | 280 | 699 | 249.6 |
TopValu | オリジナルブレンド | 300 | 408 | 136 |
前回2020年にも調査していたUCCの2商品は内容量が減ったことも合わせ、100gあたりの値段は33~66%の値上がりでした。
おすすめの澤井珈琲2kgパック
わが家の普段使いの澤井珈琲のことは、「 コスパ最強のコーヒー豆の通販。家計の倹約におすすめです!」という記事に書きました。
2kgが2,999円なので、100gあたり150円です。
値段はスーパーのコーヒー粉並みながら、味のほうは比べ物にならないくらいおいしいです。
本記事では、100gあたり150円を普段使いの廉価なコーヒー豆の目安値段として議論を進めます。
インスタント
同じ近所のスーパーのコーヒー売り場の値札から、インスタントコーヒーの値札をいくつか拾い読みしました。
ブランド | 商品名 | 内容量(g) | 値段(円) | 100gあたりの値段(円) |
ネスカフェ | ゴールドブレンド | 95 | 818 | 861.1 |
Key | スペシャルブレンド | 90 | 398 | 442.2 |
TopValu | 豊饒な香りのインスタントコーヒー | 120 | 429 | 357.5 |
2020年の前回も調査したネスカフェとKeyコーヒーの2商品は、15%ほどの値上げでした。
ネスカフェがほかの倍くらいの単価で高級なことも、前回調査と同じです。
以下では、100gあたりはネスカフェで860円、普通のインスタントは400円くらいということで進めます。
グラム当たりの値段が普通のコーヒー豆・粉よりずっと高いのは、インスタントはエキスを凝縮させているためでしょう。
カプセル(カートリッジ)
カプセル(カートリッジ)式でも、ネスプレッソ(Nespresso)などはとてもおいしいコーヒーが入ります。
ネスプレッソ純正カプセルは、まとめ買いしても1カプセルあたりの値段は100円くらいです。
楽天などで安価なカプセルを探せば、1カプセルあたり30~40円くらいでまとめ買いすることはできるようです。
2020年9月に調査した際には安くても1カプセルあたり70円ほどの商品しか見なかったことを思うと、カプセル式は広く普及したことで、安くなったようです。実際、商品の種類が非常に増えた感じがします。
ここでは、ネスプレッソ純正カプセル100円、廉価カプセルは30円ということで話を進めます。
コーヒーの単価についての比較表
こうして、1杯淹れるのに必要なコーヒー豆・粉のグラム数と100gあたりのコーヒー豆の値段がわかりました。
それぞれの淹れ方での1杯の値段を計算すると、コーヒー1杯あたりの単価についての比較表が以下の通り出来上がります。
抽出の種類 | 1杯の容量 | 1杯の容積(ml) | 1杯分のコーヒー豆(g) | コーヒーの品質 | 100g当たりの値段(円) | 1杯あたりのコスト(円) | 365杯当たりのコスト(円) |
ドリップ | 通常1杯 | 125 | 9 | 高級専門店 | 1,000 | 90 | 32,850 |
有名ブランド | 520 | 46.8 | 17,082 | ||||
普段使い | 150 | 13.5 | 4,928 | ||||
マグカップ1杯 | 250 | 18 | 高級専門店 | 1,000 | 180 | 65,700 | |
有名ブランド | 520 | 93.6 | 34,164 | ||||
普段使い | 150 | 27 | 9,855 | ||||
エスプレッソ | シングル1杯 | 38 | 5 | 高級専門店 | 1,000 | 50 | 18,250 |
有名ブランド | 520 | 26 | 9,490 | ||||
普段使い | 150 | 7.5 | 2,738 | ||||
ダブル1杯 | 75 | 10 | 高級専門店 | 1,000 | 100 | 36,500 | |
有名ブランド | 520 | 52 | 18,980 | ||||
普段使い | 150 | 15 | 5,475 | ||||
インスタント | 通常1杯 | 200 | 2 | ネスカフェ | 860 | 17.2 | 6,278 |
普段使い | 400 | 8 | 2,920 | ||||
カプセル式 | 1杯 | ? | カプセル1個 | ネスプレッソ純正 | – | 100 | 36,500 |
廉価カプセル | – | 30 | 10,950 |
但し書きとしては、
- 高級専門店: 250gあたり2,500円の高級豆。ブルーボトルコーヒーなどの値段帯。
- 有名ブランド: 250gあたり1,300円のコーヒー豆・粉。スターバックス、Illy、Lavazzaをはじめ、定番有名ブランドの多くがこの価格帯です。
- 普段使い: 250gあたり375円。スーパーで売っているコーヒー粉の価格帯。同じ価格帯だけどずっとおいしい 澤井珈琲は、私の大のおすすめです!
- ここでの値段は、2023年6~7月に調べた値段です。目安として参考にしてください。
比較表の使い方
たとえば、スターバックスの豆で、おうちでマグカップに1杯のコーヒーを飲むコストはいくらかというと、
- ドリップ→マグカップ1杯→有名ブランド→1杯あたり 93.6円
という風に見てください。
Illyの豆で1年間毎日1杯、ダブルエスプレッソを飲むのであれば、
- エスプレッソ→ダブル1杯→有名ブランド→365杯当たり 18,980円
くらいかかることになります。
毎日1杯のダブルエスプレッソを、澤井珈琲の豆で飲めば、
- エスプレッソ→ダブル1杯→普段使い→365杯当たり5,475円
で済みます。
1年間毎日、1杯のエスプレッソをIllyの代わりに澤井珈琲の豆で飲めば、
- 18,980-5,475=13,505円
の倹約になります。
自画自賛ですみませんが、この比較表、すごく便利ですね!
2020年調査時からの変化
2020年9月に行った前回の調査と、2023年6~7月の今回での大きな違いは以下の通り。
- コーヒーの豆、粉、インスタントコーヒーとも、値上がりした。
多くは15~25%の値上がり幅だった。商品によっては内容量の減少と値上げが同時に起こり、100gあたりの単価が65%も値上がりしたものもある。 - カプセル式はむしろ安くなった。
ネスプレッソの純正カプセルの値段はほとんど変化なし。そして、カプセル商品の種類が非常におおくなり、廉価なカプセルならだいぶ安くなった。
コーヒーについてのおすすめ情報
普段使いに断然おすすめの澤井珈琲のコーヒー豆
本文中でも触れましたが、普段使いにおすすめです。スーパーで売っている粉と同じような値段ですが、味のほうは断然上です。
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エスプレッソ粉がおいしい名門ブランド2選
エスプレッソといえばこのブランド、という本場イタリアの老舗ブランドの両雄IllyとLavazza。それぞれにとても味わい深いエスプレッソ粉です。本記事での「有名ブランドの価格帯」です。
楽天では単品だと送料が掛かりますが、まとめ買いすると送料が無料になります。(カートを開いて数量を4個や5個に増やすと、送料の表示が無料になります)。
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2ブランドの味はそれぞれどんな特徴か。どちらがおいしいのか⁉については、次の記事を参考にしてください。
クレマたっぷりのおいしいエスプレッソを楽しむためのマシンたち
非常に良心的な価格で購入できるのに、おうちで最高においしいエスプレッソを楽しめるエスプレッソマシンとコーヒーグラインダーを、以下の記事で紹介しています。
とくにエスプレッソマシンは、マシンの性能と比べると破格の値段設定。エスプレッソが好きな方には、絶対におすすめです‼
真に最強のコスパ:手軽に生豆を自家焙煎できる全自動焙煎機
本記事は、焙煎済みのコーヒー豆を購入する前提で書きましたので、生豆のコスパは比較表に入れませんでした。
生豆は、品質の高いコーヒー豆が非常に安い価格で購入できます。本記事で「普段使いの廉価コーヒー豆」と紹介したスーパーのコーヒーの値段帯くらいです。
最低レベルのコーヒー豆並みの値段で、鮮度が高く、びっくりするくらい素晴らしい香りと味わいのコーヒー―本格的な専門店並みの味―が飲めるので、生豆を自家焙煎するのはコスパという意味ではまさに最強です。
本節では、生豆購入の魅力と価格帯、そして家庭での自家焙煎に最適な全自動ロースターを紹介します。
いつでも鮮度の高いコーヒーが飲める楽しみ
コーヒー豆は、生豆のままで置いておいても品質の劣化はゆっくりと起こります。
むしろ、焙煎してからの日数で早く鮮度が落ちていくため、煎ってからの日数の方が重要です。
コーヒーは、焙煎後3~5日くらいの間が最もおいしく、その後日数とともに味が落ちていきます。
これは、多くの専門家も言っていることですし、わが家の経験でもそうだと思います。
いくら注文焙煎の専門店で買っても、かなりしょっちゅう焙煎してもらうのでなければ、やはり鮮度が落ちてしまいます。
生豆で購入したコーヒー豆を、必要に応じて家で焙煎するのであれば、いつでも新鮮な豆でコーヒーを飲めます。
自家焙煎をお勧めする本節を書いているのも、そのためです。
生豆の価格帯、品質と種類の多さ
最近1~2年間で、生豆の値段もだいぶ高騰しました。
それでも、1kgあたり1,500~2,500円くらいで品質の良い生豆が広く売っています。これは、本記事で「普段使い」と呼んできたスーパーなどの廉価なコーヒー豆と同じ値段帯です。
それでも味の方は、本記事でおすすめした澤井珈琲と比べてすら、比べ物にならないくらい格段においしいです。
手軽に生豆を購入してみたい方は、楽天市場に出店している松屋珈琲の通販がお勧めです。
注文焙煎の専門店でも生豆は購入できますが、私のおすすめはネットの生豆専門店です。
生豆専門店は、ホームページを見るだけでコーヒーに対する強い情熱が伝わってくるお店が多いです。
そして、生産国、生産地域だけでなく、生産した村や農園ごとのブランドでコーヒー豆を売っています。
同じコロンビアでもナリーニョやエメラルドマウンテンは、とくに品質の高いコーヒー豆を産出する地域です。コロンビア・スプレモ(スプレモは国全体での「最上級」の格付け)と比べても、はるかに香り高く味わいが良いです。
生豆専門店では、そうした地域指定の豆が多く扱われています。
さらに細かく村や農園を指定して売っているのは、それぞれに特徴があるから。
また、コーヒー生産の新興国の豆をいち早く扱っている場合も多いので、自家焙煎をすると、コーヒーの世界が無限大に広がります‼
こうした地域や農園まで指定した生豆が、1㎏の値段が1500~3000円くらいで売っています。
スターバックスなど有名チェーン店では100gあたり520円くらいだったので、比べるとやはりずいぶん安いです。
しかし、味の方は自家焙煎の方がずっと香りが高くておいしいコーヒーが楽しめます。
コーヒー豆の購入先については、以下の記事でも、松屋珈琲以外に2軒紹介しています。
以下の記事で紹介しているゲイシャは、十分手が届く価格なのに、感動的な味わいの素晴らしい豆です‼
手間いらずで手軽に自家焙煎できるおすすめの全自動コーヒーロースター
自家焙煎とか、面倒なんじゃないの?と思われるかもしれません。
実際、手動で焙煎するなら、10~20分ほど焙煎機を回し続けるので、結構な労力だとおもいます。
LITHON RT-01(RT-001Bと商品コードで表記されている場合あり)は、生豆を入れ、スイッチを押せばあとは全自動でコーヒーの焙煎が完了します‼
最小限の手間で、いつでも鮮度がよくて最高に香りが豊かなコーヒーを飲める素晴らしい機械です‼
LITHON RT-01の使い方の写真入りの解説を含めた、レビュー記事も書きました(以下のリンク)。
RT-01の使い勝手がよくわかる内容になっていると思います。
これ一台で、コーヒー生活が豊かになる上に、倹約にもつながります‼
編集の履歴
- 2020.10.09 記事を執筆、公表。
- 2023.07.10 コーヒー豆の価格を再調査し、記事をアップデート。
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