コーヒーって、エスプレッソにしてしまったらなんでも同じ、と思ってませんか?
実は、エスプレッソに淹れても、飲み比べてみるとブランドごとに強い個性があり、フレイバーがとても異なります。
いろいろ飲み比べて、好みのブランドを見つけるのも、コーヒーの楽しさのひとつです。
エスプレッソはイタリアが本場。
日本でも手に入るイタリアの定番エスプレッソ粉を5種比較し、味を比べ、ランキングにしました。
ランキングの順位付けはもちろん私の好みと独断ですが、それぞれのブランドのテイストの違いも解説します。
比較する5ブランドについて
今回、比較する5ブランドは、冒頭の写真の通りです。
どのブランドも80年以上の歴史のある老舗です。
データを表にまとめると次のようになります。
イタリア国内の地理で言うと、トリノは北西端、トリエステは東の端、ナポリは南部なので、5社はイタリア全土に散らばっている感じです。
ブレンド名 | 発祥の地 | 創業年 | アラビカ種割合 | |
ラヴァッツァ | イタリアーノ | トリノ | 1895 | 100% |
ペリーニ | クレモーソNo.46 | ? | 1922 | 80% |
イリー | インテンソ | トリエステ | 1933 | 100% |
ムセッティ | クレミッシモ | ピアチェンツァ | 1934 | 70% |
キンボ | ナポレターノ | ナポリ | 1940 | 80% |
エスプレッソは1901年に発明され、1906年のミラノ万博でイタリア国内に広まったということです。が、エスプレッソが世界に広まるのは、1980年代以降のことだったようです。
この歴史については、「【エスプレッソを世界に広めたのは誰?】スターバックス名物CEOハワード・シュルツのアメリカン・ドリーム 」という記事にまとめてあります。興味があったら是非読んでいただけると嬉しいです。ここで比較するのは5社とも、エスプレッソがイタリアの外に広がっていくよりもはるかに昔からある歴史が長いコーヒー屋さんです。
とくにラヴァッツァに至っては、エスプレッソが開発されるより前から開業していたブランドです。
比較の方法について
今回の比較では、各ブランドとも、粉で購入したコーヒーで比べます。
エスプレッソの淹れ方は、わが家のエスプレッソマシンにお任せするので、毎回一定した淹れ方で入ります。
それを、ミルクを加えずに、エスプレッソのまま飲んで比べます。
わが家のエスプレッソマシンは、デロンギ社のデディカEC680。
ご覧の通り、デザインも美しく、エスプレッソがクレマたっぷりに、とてもおいしく入る素晴らしいマシンです。
イタリアン・エスプレッソ粉のランキング
5位.ペリーニ エスプレッソ・クレモーソ No.46 ― Pellini Espresso Cremoso No.46
ペリーニは本場イタリアで1922年創業、味に定評のあるトップメーカー。
アラビカ種とロブスタ種を程よくブレンドし、豊かな香りと深みのある味わいが特徴です。エスプレッソやドリップコーヒーだけではなく、カフェラテやカプチーノなどのミルクを使用したコーヒーにも適しています。
主生豆原産国名 ブラジル、グアテマラ他。
ペリーニ エスプレッソ クレモーソ No.46 ラベルより
今回比べたのは、アラビカ種とロブスタ種をブレンドしたクレモーソ No.46。
苦みが強めの味わいで、ほろ苦いエスプレッソが好みの方にはおすすめです。
私の好みには、すこし苦みが強すぎるところ。
アラビカ種100%の「ペリーニ トップ」という別のブレンドが、フラグシップ・ブレンドとのことなので、そのうちに試してみたいと思います。
ペリーニは日本進出にも意欲があるようで、日本でも日比谷にカフェ、麻布にリストランテを開店しているとのことです。
4位.ムセッティ クレミッシモ ― Musetti Cremissimo
ムセッティー社は、1934年にイタリア ピアチェンツァで創業。
https://www.shop-casa-delonghi.com/SHOP/5513297121.html
20か国以上のコーヒー豆を吟味し、イタリアの伝統的製法を重んじた最新の焙煎システムで、厳選されたブレンドを提供しています。
本国イタリアのみならずヨーロッパ各国、アメリカ、カナダなどで「正真正銘のイタリアンエスプレッソ」として高い信頼を得ています。
生豆原産国 ブラジル、インド、他
ムセッティ クレミッシモ 缶ラベルより
ムセッティの発祥の地ピアチェンツァは、ミラノに近いイタリア北部の町です。
125gのお洒落な小さい缶入りの「ムセッティ クレミッシモ」。
缶には「70%アラビカ種」の表記があるので、残りの30%はロブスタ種をブレンドしているのでしょう。
酸味とコクのバランスがよく、優しく飲みやすい口当たりです。
少し渋みが感じられるのが独特な味わいで、好みがわかれるところかもしれません。
ムセッティー社のコーヒー豆、粉は、日本ではデロンギ社が販売を行っています。
デロンギ社製のわが家のエスプレッソマシンには、購入時にムセッティのエスプレッソ・カートリッジが2~3個付属してきましたし、アンケートに答えたところ、3種類15個のカートリッジ・サンプルがもらえました。
カートリッジで淹れても、とくに紙のにおいがするなどでなく、粉から淹れたエスプレッソと同様に楽しめます。(カートリッジで購入すると、一杯当たりのコストは高いですが。)
3位.キンボ エスプレッソ・ナポレターノ ― Kimbo Espresso Napoletano
エスプレッソの聖地と言われる南イタリア・ナポリを代表するキンボ。
「ナポリ伝統の味を、コーヒーを愛する全ての人達に提供すること」をビジョンとして掲げ真のナポリコーヒーを生み出しています。
濃厚でコクが強く芳しいアロマを放つキンボの真のナポリコーヒーは50年以上の間、世界中から熱狂的な支持を受けています。
https://www.montebussan.co.jp/kimbo/
濃厚でフルボディ、コクのある味わいは、まさにナポリ伝統の味わい。芳しいアロマからは豊かなチョコレートの風味が感じられます。
豆比率アラビカ:80% ロブスタ:20%
https://www.montebussan.co.jp/kimbo/lineup/napoletano/
しっかりしたコクと、ほのかな酸味。
とてもバランスがよい、飲みやすい味わいです。
2位.ラヴァッツァ エスプレッソ・イタリアーノ ― Lavazza Espresso Italiano
エスプレッソの本場イタリアで、圧倒的な支持を受けているラヴァッツァ。
豊饒な香りと深いコクが特徴のエスプレッソ テイスト。
ミルクと砂糖を加えた本場の飲み方がお勧めです。
100%アラビカ種。生豆原産国名/ブラジル、コロンビア他。
ラヴァッツァ イタリア No.1 ラベルより
トリノで1895年創業の、古くからの老舗。
イタリアで最も売り上げ数が多いブランドだということも、ラヴァッツァのホームページには書いてあります。
口に入れたとたんにとても濃い味わいが広がり、飲み込んだ後にもクドいくらいにしっかりした後味が残ります。
濃厚な味わいといっても、とても柔らかく、どこまでもやさしい苦みで、非常に心地よい飲みごたえです。
1位にしたイリーとは、まったく別な個性の味わいで、完全に私の好みで1-2位を分けました。
だから、本当のところを言うとどちらが上ということはできないです。私は、この2種を気分によって、交互に飲んでいるのが実際です。
非常に濃厚なコクのため、カフェ・ラテにするには、圧倒的におすすめです。
1位.イリー インテンソ ボールド・ロースト ― Illy Intenso Bold Roast
イリカフェ社は、1933年イタリア・トリエステで創業。厳選されたアラビカ種100%を使用しています。深く、力強いコクのある濃厚な味わいが特徴的なダークローストは、エスプレッソはもちろん、ミルクをあわせたレシピにもぴったりです。エスプレッソに適した極細挽きですがドリップコーヒーでもお楽しみいただけます。
生豆原産国名:ブラジル、エチオピア 他。
イリー インテンソ 缶ラベルより
イリーは私の好みで、ミディアム・ローストではなく、深煎りのボールド・ローストを比較しました。
しっかりしたコクと味わいがあるのに、すっきりした喉越しです。
飲んだときにいつも、とても爽やかな気持ちになります。
まとめ
私のランキングの中での順位と、味の特徴を入れて表をまとめたのが次の表です。
順位 | ブランド | ブレンド名 | 発祥の地 | 創業年 | アラビカ種割合 | 味の特徴 |
1 | イリー | インテンソ | トリエステ | 1933 | 100% | しっかりとしたコク、爽やかな飲みごたえ |
2 | ラヴァッツァ | イタリアーノ | トリノ | 1895 | 100% | やわらかく濃厚な味わいとコク |
3 | キンボ | ナポレターノ | ナポリ | 1940 | 80% | バランスが取れた飲みやすい味わい |
4 | ムセッティ | クレミッシモ | ピアチェンツァ | 1934 | 70% | やさしい口当たり、独特の渋み |
5 | ペリーニ | クレモーソNo.46 | ? | 1922 | 80% | ほろ苦い |
イリーとラヴァッツァ
最初にお断りした通り、ランキングは私の独断と好みです。
そして、私にとっては、イリーとラヴァッツァは、群を抜いた味わいです。
ラヴァッツァの項でも触れましたが、イリーとラヴァッツァは全く別な個性のコーヒー。イリーを1位にしたのは、こちらのほうがしょっちゅう飲みたいというだけのこと。
普段の生活の中でもそのときそのときの気分に応じて、イリーとラヴァッツァを3対1くらいの割合で、交互に飲んでいる感じです。
アラビカとロブスタ種
ここでは、5ブランドのうちでも、手ごろで普及しているブレンドを比較しました。
ペリーニの項でも触れたように、ペリーニのフラグシップ・ブレンド(ブランドとしての一押しという意味でしょうか)は、アラビカ種100%の「ペリーニ トップ」という別のブレンドだそうです。
そう思うと、キンボやムセッティもそれぞれ、アラビカ種100%のブレンドがあるようです。(ムセッティのものは、カートリッジ式で試して、それほどの違いは感じなかったのだけれど)
おいおい気が向いたら、各ブランドの別ブレンドも試して、ランキングをもっと充実させてみたいと思います。あまり期待しないで、待ってていただければと思います。
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